卵はなぜ泡立つの?!卵の特性のひみつvol.1『起泡性』

たまごかけごはん、卵焼き、シフォンケーキ、マヨネーズ・・・。食卓に欠かせない卵ですが、どうしてこんなにも多様な料理で重宝されているのでしょうか?

実は、卵には起泡性(かき混ぜると泡立つ)、熱凝固性(加熱で固まる)、乳化性(水と油を混ぜる)という3つの素晴らしい特性があるからなんです。

今回はその特性の一つ、「起泡性」についてお話したいと思います。
起泡性を理解すると、メレンゲを使った料理やお菓子作りがもっと上達するはず!


<目次>

  1. 卵の起泡性とは?
  2. メレンゲを作るには・・・
  3. メレンゲ作りのコツ
  4. 起泡性を利用した料理・お菓子
  5. 「TKGシフォンケーキ」のレシピ

 

 

1. 卵の起泡性とは?

卵白を泡立て器で攪拌すると、泡立ってメレンゲになりますよね。
この泡立つ性質のことを「起泡性」といいます。

なぜ卵白が泡立つのかというと、卵白に含まれるオボグロブリンや、オボトランスフェリンというたんぱく質にはたくさんの空気を取り込む力があるからです。

 

2. メレンゲを作るには・・・

卵白が泡立つ理由は何となく分かったと思いますが、ただ泡立つだけでは、メレンゲのようにしっかりとした形にはなりません。

卵白に含まれるオボアルブミンというたんぱく質は、空気に触れると膜状に固くなり、泡をコーティングして壊れにくくする働きがあります。これを空気変性といいます。

「起泡性」と「空気変性」、2つの働きを合わせ持っているため、メレンゲが出来上がります。

ちなみに、シフォンケーキなどメレンゲを使ったお菓子作りでは、卵白を泡立てる際に砂糖を加えますが、これはなぜだかわかりますか?
より安定性のあるしっかりとした泡にするためです。

砂糖は保水性を持つため、気泡の周りにある水に溶け込んで粘度を高めることで、泡の安定性を高める作用があります。
ですが、初めから全量の砂糖を加えてしまうと、粘度が上がって空気を取り込みにくくなり、泡立ちにくくなってしまいます。

なのでメレンゲを作る際、砂糖は2~3回に分けて加えるようにしましょう。

 

3. メレンゲづくりのコツ

メレンゲを立てようとしたら失敗した・・・、なんて経験はありませんか?
メレンゲを上手に作るポイントを3つご紹介します。

 

①水分や油分が付いていない清潔な道具を使用する。
使用するボウルや泡立て器、ハンドミキサーといった道具は、使用する前によく洗ったり拭いたりして水分や油分が付いていない清潔なものを使用しましょう。水分や油分が入ってしまうと、卵白は上手く泡立ちません。

卵黄にも油分が含まれているため、卵を卵黄と卵白を分ける際に、卵白の中に卵黄が割れて入り込まないように気を付けましょう。

 

②卵白は新鮮で、冷えているものを使用する。

⇒卵白は新鮮なもの、冷えているものを使用した方が泡がつぶれにくく、しっかりと安定したメレンゲに仕上がります。

 

③砂糖は2~3回に分けて加える。

先ほどもご紹介しましたが、メレンゲを使ったお菓子作りの際には、甘み付けのためや、泡を安定させるために砂糖を加えます。
この時、初めから全量の砂糖を加えてしまうと泡立ちにくくなってしまうため、2~3回に分けて加えるようにしましょう。

 

4.起泡性を利用した料理・お菓子

卵の起泡性を利用した料理やお菓子にはいろいろありますが、中でも代表的なものをご紹介します。

 

〇シフォンケーキ

シフォン(英語)は、絹、軽くてふんわりしたという意味。

シフォンケーキとは、空気をたくさん含んだメレンゲを材料として作る、キメ細かくふんわりと軽い食感が特徴のケーキです。

 

〇メレンゲクッキー

卵白に砂糖を加えて泡立てたメレンゲを低温で焼き上げた、サクサクと軽い食感のお菓子です。

 

〇スフレオムレツ

スフレオムレツとは、卵白を泡立てたメレンゲを使って作るオムレツのことです。

口の中で溶けていくような食感を味わうことが出来ます。

モンサンミッシェルにある名店「ラ・メール・プラール」の名物料理としても有名です。

 

〇フルムーン(たまごかけごはん)

フルムーンとは、日本たまごかけごはん研究所が提案する16種類のたまごかけごはんの作り方、「TKG style」の1つ。

卵白をメレンゲ状にしてごはんにかけ、黄身をのせ、醤油を少しかけて食べるといったたまごかけごはんです。

ふわっふわで軽い口当たりで、女性や子供にも人気!

 

 

5.「TKGのシフォンケーキ」のレシピ

卵の起泡性を利用したお菓子の1つ、シフォンケーキのレシピをご紹介します。

ただのシフォンケーキではなく、なんと・・・。

たまごかけごはんに欠かせない「卵」「米」「醤油」を使ったシフォンケーキです!

お醤油は意外な組み合わせと思う方もいるかもしれませんが、甘じょっぱさがクセになる味わいです。

 

【TKGシフォンケーキ】のレシピ

<材料>直径17cmのシフォンケーキ型1台分

卵…4個
砂糖…60g
米油…30g
水…35g
醤油…小さじ1
米粉…90g

 

<作り方>

①オーブンは180℃に予熱しておく。
ボウルに卵黄を入れて泡立て器で混ぜ、砂糖の半量を入れて混ぜる。油、水、醤油の順に加え、その都度混ぜる。

 

②①に米粉を加え、粉っぽさがなくなるまで混ぜる。

 

③別のボウルに卵白を入れてハンドミキサーで軽く混ぜ、残りの砂糖の半量を入れて混ぜる。

 

④ハンドミキサーを高速にして泡立て、泡立ってきたら残りの砂糖を入れて、しっかりとツノが立つまで泡立てる。

 

⑤低速に切り替えて10秒混ぜる。

 

⑥②に⑤の1/3を入れて泡立て器でよく混ぜ、⑤の残りを入れて、泡を潰さないようにゴムベラでさっくりと混ぜる。

 

⑦シフォンケーキ型に入れ、10cmほどの高さから落として大きな気泡を抜き、竹串で5周ほど混ぜる。

 

⑧予熱したオーブンで30分焼く。焼き上がったら型ごと逆さまにして、冷めるまで置いておく。完全に冷めたら型からはずし、切り分けてお召し上がりください。

お好みで黒蜜をかけても美味しいです♪

 

TKGシフォンケーキ、作ってみたくなりましたか?

美味しいく作るコツは、

砂糖を数回に分けて加えながら、しっかりとしたメレンゲを立てること
・生地とメレンゲを混ぜる際に、泡を潰さないようさっくりと混ぜること
・お菓子作りに向いた美味しい卵を使うこと

です!

卵ってどれが美味しいんだろう?
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・・・と迷った方は、ぜひ幻の卵屋さんへお越しください!

幻の卵屋さんでは、店長全員が「三ツ星タマリエ(タマゴのソムリエ)」資格を取得しております。ですので、お尋ねいただければ、その日の日替わり卵の中からお菓子作りに最適なブランド卵をセレクトいたします!!

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次回は、卵の「熱凝固性」についてお話したいと思います!!